Perl 5 の次期バージョンとして一部後方互換でない変更 (主に間接オブジェクト記法の削除とベストプラクティスのデフォルトでの有効化) を含んだメジャーバージョンアップである Perl 7 がアナウンスされたのは昨年の 6 月  のことだったが、その前に Perl 5 の次期周期リリースである Perl 5.34 が 5 月にリリース予定 である。  現在開発版は Perl 5.33.8 がリリースされておりユーザから見える変更は凍結、4 月下旬の 5.33.9 で全コードが凍結され 5 月下旬に 5.34.0 としてリリース予定とのこと。  そういうわけで事前に新機能の予習をしておく。  8進数数値リテラルの新構文  見た瞬間「マジかよ」と口に出た。これまで Perl はプレフィクス 0  がついた数値リテラルを8進数と見做してきたが、プレフィクスに 0o  (zero, small o) も使えるようになる。 もちろんこれは2進数リテラルの 0b  や 16進数リテラルの 0x  との一貫性のためである。リテラルと同じ解釈で文字列を数値に変換する組み込み関数 oct  も` 新構文を解するようになる。  昨今無数の言語に取り入れられているリテラル記法ではあるが、この記法の問題は o (small o) と 0 (zero) の区別が難しいことで、より悪いことに大文字も合法である: 0O755  Try / Catch 構文  Perl 5 のリリース以来 30 年ほど待たれた実験的「新機能」である。 Perl 5 における例外処理が特別な構文でなかったのは予約語を増やさない配慮だったはずだが、TryCatch とか Try::Tiny のようなモジュールが氾濫して当初の意図が無意味になったというのもあるかも知れない。  use  feature qw/ try / ;  no  warnings  qw/ experimental::try / ;   try {    failable_operation();  } catch ( $e ) {    recover_from_error( $e );  }  Raku (former Perl 6) だと CATCH  (大文字なことに注意) ブロックが自分の宣言されたスコープ内で投げられた例外を捕らえる...